2017年12月1日金曜日

根付 其ノ百玖

『 女鴉 』
素材 : 素材:鹿角、真鍮、黒檀



至水・道甫 根付彫刻2人展 
FREESTYLE NETSUKE DUNGEON
出品作品其の陸
女鴉
a.k.a
Harpy

いよいよ二人展出品作品の最後に製作した根付の御紹介となります

この根付完成したのが二人展当日の午前3時・・・
完徹で二人展初日に挑むという暴挙をしでかしてしまいましてねぇ(汗)

では先ず根付「女鴉」製作決定の経緯から

二人展初日から遡ること8日
出品作品最後の一つを何にしようかと
幾つか脳内用意してある候補から選んでいったのですが

ここまで二人展用に彫った根付と言えば
オッサンかモンスターかただの根っこ・・・

おそらく道甫さんも黒ーいヌメーッとした
深淵なるラインナップで来るだろうと推察し

ここはやはりファンタジーRPGには無くてはならない
グラマラスな半裸のフィメールモンスター根付を彫る事に決定

ただ古典根付と繋げられる
ファンタジーRPG系フィメールモンスターって何よ?と

んー

無いねぇ

じゃ取り合えず
ファンタジーRPGでフィメールモンスターと言えば?
と考え即頭に浮かんだのがハーピーでして

ではハーピーをフックに人型で羽がある古典根付と言えば?

ほら!

直ぐ思いつくじゃない!?

鴉天狗ですよ鴉天狗の根付ー♪

で、早速フィメールモンスターであるハーピーと
鴉天狗の意匠の根付をマッシュアップしてみるとですね

ハイ
見えました

雌の鴉天狗の根付!

どう?

彫っちゃうけど♪





鹿角です





六面図
古典根付に於ける鴉天狗の意匠の記号
鴉天狗+卵
コレはマストで盛り込みますよ





右面の下唇噛みしめる苦々しい顔から
時計回りに回転させると
徐々に左半面のニヤッな表情に移行して行きます
正面から見ると笑いながら怒る人的変顔に(汗)

既婚モンスターなので
口の中から少し覗く歯牙はお歯黒で真っ黒
そして引眉





抱える卵には孵化直前の鴉天狗の雛がコンニチハ

実は鴉面の鴉天狗は全て雄であると言う妄想設定その1
女型(雌)の鴉天狗は一体しか存在しません
雄の鴉天狗を無限に産み増やし続ける女王蜂ならぬ女王鴉天狗
クイーンメガラスなのです
あぁ何かメガラスってメガデス風に言うとカッコイイ
どーでもイイけど





実は女鴉の旦那は天狗であるという妄想設定その2
所謂皆さんご存知の天狗ですが
人間が目にするあの姿お顔立ちは
モンスターであらんとする虚勢の姿で
おなじみの長鼻の天狗の顔は「面」だったのです

天狗住宅に帰宅すれば今日も仕事(山の守護パトロール)疲れたねと
愚痴をこぼしながらも面を脱ぎ束の間のリラックスタイム

しかし家では女鴉の尻に敷かれる冴えない夫
些細な事で喧嘩しようものならば大事な天狗面の鼻をへし折られ涙します





サイズはこんな やや長め

紐穴は天狗面の裏側から
鼻へし折られた後に出来た空洞へ抜ける仕様です





ここ数年製作している根付全てがそうですが
ここまで彫って来た出品作品も全て
下絵や粘土モデルを用意しておりません

鹿角握ってよーいドンでガシガシ彫り進め
辻褄合わせの連続の後完成となります

いわば即興手探りカーヴィング

そんな意味でも "FREESTYLE" な "NETSUKE" なのです
What's up?





今日も今日とて旦那の鼻をへし折って余裕で子育てこなしちゃう
Queen Megarath
根付「女鴉」完成です

出品作品最期の根付「女鴉」は
先に書いた通り
捻じれまくった末に落ち着いたRPGと古典根付のマッシュアップと
いつもの至水の妄想設定大暴走
そして二人展のタイトルにある "FREESTYLE" な側面を
色濃く見て取れる根付になりました
(と思います結果的にだけど)

まぁハーピーって人面鳥体のモンスターだから
鴉天狗に結び付けるのは無理筋!
とかは言いっこなしで(涙)

さて皆様

至水・道甫 根付彫刻2人展 
FREESTYLE NETSUKE DUNGEON
出品作品の詳細紹介投稿に長々とお付き合いくださいまして
本当にありがとうございました

訳わからんテキストの量なんとかしろ!

ごもっとも

わかります

此処根付彫りブログですからね

しかしながら毎度申し上げておりますように

この妄想設定、解説テキスト、バックグラウンドストーリー含め
至水の根付なのでございます
お許しあれ(涙)

最期に

改めて二人展総括ブログ記事投稿しようかと思っておりますが

一先ずこれにて締めさせて頂きます

ありがとうございました!!!!!



根付 其ノ百捌

『 恋茄子 』
素材 : 人似茄子根塊、鹿角、黒水牛角



至水・道甫 根付彫刻2人展 
FREESTYLE NETSUKE DUNGEON
出品作品其の伍
恋茄子
a.k.a
Amulet of Sprouting Mandragora

今回の二人展出品作品は
ここまでプレイヤーキャラクターとモンスターばかり彫って参りましたが

ファンタジーRPGには欠かせないアイテム装備品も必要ですよね?

そこでアミュレットな根付を製作しようと思い立ち
いつか使ってやろうと思っていたあの素材を投入する事にしたのです

しかしコレ出品作品中最も議論を巻き起こすであろう大問題作なのですよ

だって

ほぼ何もしていない根付なのダカラ

先ずは見ていただきましょうね(汗)





六面図

さぁコレ何処からツッコもうか(汗)

先ず素材に記載した「人似茄子根塊」という文字ね
この根付のメインの素材
実はマンドラゴラの根の塊(本物)なのです

マンドラゴラって根が人型になってて引っこ抜くと叫び声をあげ
それ聞いた人は死んじゃうってあのマンドラゴラねって御思いの方

いやマンドラゴラって植物は実在しておりまして
和名が「人似茄子」なのです

昨年のいつ頃だったか ebay で色々と見ていましたら
マンドラゴラの根が出品されているのを見つけまして

えーこんなん売ってるんだなんつって
ebay 内検索かけてみたら出るわ出るわ

乾燥させてチップにした物からブツ切りをグラム売りする物まで

なんですか?2017年今現在も魔女がいてですよ
ebay で魔術触媒としてのマンドラゴラの根を
落札購入されているんですかと
信じたくなるくらい普っ通ーに出品されていたのですよ

で、運悪く その時眠たかったんですよね 寝落ちしましてね
タブレット端末で見ながら寝落ちしてのタッチパネルの誤操作
(落札ボタン押しちゃった?)
気付いたら落札しちゃってたんですね

げに恐ろしきは睡魔とタブレット

結局送料含め日本円で数千円也
外国人相手にキャンセル交渉する気力もなく入金してしまい

いつかコレ根付の材料にしてやんだ!って・・・

こうなりました





根っこ到着まで待つ事2週間

実際届いた根の塊がですね
表面の皺、色、細根の切跡、どれをとっても思いの外
カッコイイ♪
自然が作り出した造形美とでも言いますか
神が与えたテクスチャに結構メロメロになってしまったのです

でも漢方っぽい香りが超くさい(涙)
二人展に来場されたお客様に出汁でそう言われたくらい香るのね





本体から分岐した根や突出した部分を落としながら
極力テクスチャを残すよう丸めに形成して行きまして

あとカラッカラに乾燥させた根ですので
部分的に脆くなっている所も見られたので其処も落としました

切削面と表面の色味を合わせるためヤシャ液を塗布浸潤させ
最終的に防水効果を狙った亜麻仁油の塗布乾燥を繰り返し仕上げています





そしてテクスチャ残せる限界まで丸くしてこのサイズ感

紐は下方の紐穴より通し裏面に抜ける
結び玉がスポッと収まるシンプルなやつで
逆方向から通せば文字通り首に提げられるアミュレットとして使えます





一度バラバラに切り刻まれたマンドラゴラの根は半無限休眠に入りやがるが
そこそこ Charm 効果のある
扱いやすいアミュレットとして重宝されるんだ
でも此処んとこよく見てくださいよ
目ぇ出てるでしょう
コイツぁ再萌芽してるレア中のレア
とんでもねぇクレイジーなモンスターが
どんなに抗おうったって装着者に Charm されちまう
まるで恋の病を患った乙女みたいなもんさ
今なら安くしとくよ
Amulet of Sprouting Mandragora
27,000 GOLD でどうだい
Netsuke のエクスプローラーさんよ

なんて売り込みは置いといて
根付「恋茄子」完成です

で、何が大問題作かと言う件ですけど 
コレ殆ど何もしていないのですね

加工した所は

・丸めに切削
・紐穴形成
・目の象嵌×2
・銘を刻んだ鹿角パーツの象嵌
・ヤシャ塗布
・亜麻仁油仕上げ

うん

あとは素材のパワーでどうですかーって
そう言う根付なのです

大問題でしょ?

普通マンドラゴラの根カッコイイなぁなんて思ったら
柘植とか象牙とか使って本物と見紛うばかりの
写実なマンドラゴラ根付を彫るのが
根付のアプローチとして正常なのではないでしょうかね

でもこれ
RPGと古典根付のマッシュアップと言う今回の至水テーマから見れば

根付の始まり
腰から袋をぶら提げる際の留め具として
手頃なサイズに切っただけの鹿角の先に穴を開け
紐を通し根付の機能を持たせた鹿角の欠片

これも根付の歴史を辿れば確かに存在していた根付な訳で

この根付「恋茄子」を
根付として使える様に紐穴開けただけの
素材そのまま根付と見立てれば

マァァァァァッシュアァァァァァァッㇷ゚ッ!!!

したね?したよね?うん、したはず(涙)

あとは以前製作した 胡桃や桃種、ラドラクシャを使用した
「禍」シリーズの延長線上に位置する根付であるって事からも
マンドラゴラの根なんて怪しげな素材を手にしてしまった至水が
「恋茄子」を製作するのは必然であったと言えるのではないでしょうか

さて次は

二人展出品作6点中最後に製作した女性の根付
これもなかなかに複雑なの

続く



根付 其ノ百漆

『 蠍尾蝙蝠獅子 』
素材 : 鹿角、黒檀、赤瑪瑙



至水・道甫 根付彫刻2人展
FREESTYLE NETSUKE DUNGEON
出品作品其の肆
蠍尾蝙蝠獅子
a.k.a
Manticora

実は今回の二人展のテーマというかキーワードに「RPG」を掲げ
一番最初にイメージした根付がこの獅子の意匠でして

江戸の絵師が実際に見た事のない生物を
姿形特徴等、聞き知った情報だけを頼りに描いた画図ってありますよね

獏とか獅子なんて絵師の想像力と感性を爆発させた
ロマン溢れる想像の斜め上行くローカライズ生物が誕生したりして

例えばその当時
南蛮人の富豪が伝説の生物としてのマンティコアを
日本の根付師に製作依頼してみたらなんて想像してみるとですよ

蝙蝠ノ翼ト蠍ノ尾ヲ持ツ人面ノ獅子ナンダケドネ
チョット You 彫ッチャイナヨゥ!

なんてポポーンと大枚叩いて説明し出した
たどたどしい似非日本語のキーワードを頼りに
こんなん彫っちゃうんじゃないの?

って獅子の根付を彫ってみましょうという目論見です





鹿角です

最終的に獅子の体との質感の違いを出したいので
蝙蝠の羽には出来るだけ鹿角の皮目を残す方向で彫り進めます





六面図

意識的に古典の獅子根付の特徴を盛り込む様に
腿に浮き出るモコモコ体毛表現とか獅子ヅラとか
あと獅子と言えばの巻き毛なのですが
実はゴテゴテ盛り込まれた巻き毛が好みではないので
超控えめにしてしまいました
(ていうかほぼ巻いてない!)






至水の獅子ヅラっていつもこんななの
ミクラスが大好きなんですよねー





片足立で自立するのですが
立たせるには結構な集中力を要します(汗)
「手に取って鑑賞した後に自立させんと必死になる様を愛でる根付」
と言っても過言ではありますまい





サイズはこんな

紐穴は前足と右後ろ脚の間を紐穴の入口にしてあり
結び玉は深くまで入りますので正面からでも見え辛くなっています





犬歯より後方の臼歯部が上下で透かしているのがお分かりでしょうか

口の中は空洞に彫り込んであり赤瑪瑙の玉が入っていて
振ればコロコロと鳴く玉獅子になっているのです

因みに左面の口から彫り進め
玉を入れた後に別パーツの歯牙ブロックを嵌めています





ジャパンローカライズなマイティコアの爆誕です♪
根付「蠍尾蝙蝠獅子」完成です

マンティコアの根付に於けるRPGと古典根付のマッシュアップ
に関しては前半で書かせて頂きましたが

口伝のみを頼りに創造された獅子の根付であるという見立ての他に

古典根付でも彫られている「鵺」の様な
和製キメラのバリエーションとしての
マンティコア=蠍尾蝙蝠獅子
と言う古典根付の意匠があってだな・・・
なんてIFな妄想をしてみたり

フフフフフ

楽すぃ♪

さて次は

今回の二人展出品作品中最も議論を巻き起こすであろう大問題作

ここまでプレイヤーキャラクターとモンスターばかり彫って参りましたが
ファンタジーRPGには欠かせない装備品
アミュレットな根付を製作致します

・・・・・大問題作

続く