2011/09/18

緒締 其ノ肆

『鉦五郎』
素材 : 鹿角

有り難い事に、前回根付『木魚達磨』を納品させて頂いたオーナー様より
『木魚達磨で提げる合切袋用の「緒締」の御注文も頂けましたので
お供に『鉦五郎』を彫る事に致しました!
付喪神つながりと言う事で・・・
「 鉦五郎 」 についてはこの辺を参照して頂けると良いかとWiki




- Image -

朽ちかけた古寺の本堂の片隅
付喪神と成った木魚達磨の傍らに蠢くものがあった。
時同じくして付喪神と成り得た鉦鼓、「鉦五郎」である。
現世を目の当たりにし、依り代に宿った淀屋辰五郎の魂が絶句する・・・
「どないやねん・・・」
鉦五郎もまた木魚達磨の供として世を睨めつけ
驕り高ぶる人々へ警鐘を鳴らし続けるのであった。



という俺設定からの・・・

鉦鼓の底から、頭・手・足・蓑亀ばりの背な毛が
わらわらと生えてきた図です
六面図
「ばい」(鉦鼓を鳴らす棒)の上で腕組む鉦五郎、この世を憂う
大阪商人淀屋辰五郎の魂が眼を覚ます!


木魚達磨の御供として
この世を睨み続けて行くのです

緒締 其ノ参

『千年達磨』
素材 : 鹿角


数百年の時を重ねた木魚が木魚達磨となり・・・
更に数百年の時が過ぎ・・・
推定年齢壱千歳
木魚だった頃の面影は・・・もう・・無い
六面図
千年物の木魚達磨をイメージした意匠で

鹿角特有の「髄 」が朽ちかけた感じを醸してくれてます



緒締 其ノ弐

『 夢魔 - nightmare -』
素材 : 鹿角


夢の中に湧き出して来る THE NIGHTMARE !!!
六面図

狡猾な面してんねぇ ♪ 

まぁ・・・毎回獏様に喰われるんですけどね


緒締 其ノ壱

『白獅子』
素材 : 鹿角

「緒締め」カテゴリ分けしてUPする事に・・・
過去作品から行っときます。


黒檀製の黒い獅子根付に対し、鹿角製の白い獅子緒締を製作
陰陽魚をイメージしてます

画像が一枚しか残ってないですねぇ・・・

いい塩梅にブサイクで好きです、男前だよ!



2011/09/02

根付 其ノ拾参

『木魚達磨 現世ヲ睨メル』
素材 : 黒檀、鹿角、水牛角、グリーン アベンチュリン


今回「木魚の根付」の製作依頼があったのですが
サイズの御指定や、意匠の件をやり取りする内に
『木魚達磨』を彫る事になりまして・・・
しかし鳥山石燕的な「もののけ」寄りの木魚達磨では無く
眼光鋭い達磨大師の意を感じさせる木魚達磨に・・・

そして御依頼主様の「この根付に寄せた思い」を知る事となり
私も目一杯「念」と「思い」と「願い」を込め製作させて頂いたのです。




- Prologue -

弐千拾壱の年、弥生
数百年の時を重ね現世に付喪神と成り得た木魚達磨
その眼前に広がる厄災の爪痕
立ち込める「眼に見えぬ禍々しい光を放ち続ける呪塵」
憤り睨めつけるその力強い眼光は正に達磨大師そのものであった・・・
『儂ニハ見エテイルゾ・・・』



という俺設定からの・・・

今回は黒檀を使います。
使い込まれた古木魚感を感じられるかと。
顔は鹿角で別造、象嵌するつもりなのでこんな風。
ザ、ザクレロっ!?
粗彫~の途中経過画像が無いのです。
切削粉飛び散る中デジカメを構えるのが・・・ちょっと・・・
一気に端折って象嵌直前。
象嵌パーツ左から~
             ・ 背なに蠢く水魚の眼(鹿角+水牛角)
             ・ 水魚の吐き出す三毒の結晶(砂金水晶)
             ・ 「shisui 」 銘入りの鹿角ブロック
             ・ 鹿角製達磨様御顔(水牛角眼象嵌済み)


先ず、三毒の結晶を水魚に吐き出させます!
                               ① グリーン アベンチュリンと黒檀柱
                               ② 黒檀柱に仮止めします 
                               ③ 背中の水魚の口内めがけて貫通させた穴にIN!
                               ④ 接着
                               ⑤ 突出した部分を削り落とします
                               ⑥ 吐き出してるっ!

水魚の吐き出している玉は、寺の修行僧達が内に宿している
貪(むさぼり)・瞋(いかり)・癡(おろかさ) の三毒を表すのだそうです。
それを吐き出せと!

玉にはグリーン アベンチュリン(砂金水晶)を使用しています。
アベンチュリンの効果として
「感情を安定させ洞察力を高める」
「物事の裏に隠された真実を見る目を養う」
とあります。
最近は呆れる程に「平気で本当の事を言わないオトナ達」が多過ぎです。
そんな奴等にゃ騙されませんぞと言う意を込めアベンチュリンを選定

六面図
黒檀製頭部の右側、やや色が白い木目部分が
光の当り具合で面白い変化を見せます。
木材なのに薄氷一枚隔てた向こうに透けて見える感じと言うか・・・
shisui の銘はこっそりと木魚の中に・・・
達磨三つ揃いでお届け
「年季ノ入リガ違ウワッ」と新参者の木魚達磨を一瞥する古達磨様。
根付 『木魚達磨』の 完成です。




- Epilogue -

木魚達磨
此れから何年何十年と、福島のオーナー様の御手元で
あの時、あの日々を取り戻すまで
この世を睨み続けて行く事でしょう・・・



私も頑張らねばね!