2015/10/30

Small articles : No.028

提げ 『 罵禍 - Maga of Boos -
素材:胡桃、鹿角、黒水牛角



禍が形成される最大の要因は

樹木等植物が持つ邪気浄化能力の限界値を超えた悪気邪念の蔓延

人が発する邪気邪念は各々多様であるため
過去に採集された禍は複数の念が入り混じった
実にカオスな形質を発現させていましたが
10月に入り立て続けに発見された2体の禍は
単一体と思われる特徴を持ち人語をも発する新種でした

しかし

1体めの「蕩禍」
形質を保持出来ずに溶融霧散

2体めの「真我」
私には到底理解不能な宇宙の最高原理を滔々と説き
梵我一如に至る為の瞑想に入ると言い残し姿を消してしまいました

研究サンプルを失い
これで単一体の禍を発現させる起因念気の特定は不可能
と落胆していたのですが
本日3体目の単一体の禍を発見する事が出来ました

そして拾い上げた瞬間に禍が発した第一声が
私に起因念気の特定を確信させたのです

明日は
最早本来の由来や意味を失い
歪曲した奇祭としてローカライズされた10月末日の収穫祭

Japanese Halloween

10月に入りハロウィン参加もしくは関わる人々個々の念の集合値が
現世に蔓延する他の悪気邪念の総量を上回り
一つの念として精錬され単一体の禍としての生成に至ったのではないのか

確かに単一体禍は3体とも外観がジャック・オー・ランタン風
ハロウィン前日に発見され
最も強い念が精錬されたと思しき3体目の禍に至っては
発する人語も軽薄で正に最近TVで良く見かける
ハロウィン関連のインタビューを受ける仮装をした若者達の口調そのもの


3体めの禍が私に発した言葉は
そう
「はっぴーはーろうぃーん♪」
だったのです


とうとう真相が明らかに!という体で
最後の単一体行きますよ


今回は一連の単一体禍シリーズの中で最も
ジャック・オー・ランタンに寄せた造形に



六面図
今回は中に丸まるクルミナッツを残してあるので
いざというとき(雪山で遭難とか)割って中身を食べる事が可能!



コイツ彫っている最中
ずっと私の事を口汚く罵って来たり悪態ついたりして・・・
そういう体で作業進めているので
狙い通り性格悪そな面構えに仕上がりましたよ♪



ジャック・オー・ランタンをイメージしているので
ほぼ全ての歯が前歯の形状という
歯科関係者にとってはスンゴイ違和感(笑)




「はっぴーはーろうぃーん♪」



提げるとこんな



そうだ明日はハロウィンなのだ
提げ「罵禍」完成です


そもそもは「ハロウィン的胡桃を」という御注文があったから
という事で始めた単一体禍シリーズだったのですが
こういうストーリーを無理矢理こじつけるのも大変で(涙)

あと裏テーマとして
私の大好物
球に顔の造形と言えばな80年代のアメリカントイ
「 MAD BALLS 」
へのオマージュというのもあったりして♪


超進化禍単一体編
長々とお付き合い頂きありがとうございましたー!


2015/10/29

根付 其ノ漆拾参

真我 - Maga get the Ātman -
素材:胡桃、鹿角、真鍮、黒水牛角


10月の初旬に採集した単一体の禍である
やはり形質を保持出来ず
一週間後には溶融霧散してしまいました

何らかの特定の念気のオーバードーズがあったものと推測されますが
それが一体何なのか
サンプルが乏しい為同定出来ない状況でした

そんな折
「蕩禍」の投稿を御覧頂いた東京在住の禍蒐集家の方より
同様の単一体の禍を採集したとの連絡があり
私の元へ送ってくださったのです

開瞳された外皮の奥に鋭く光る眼球
「蕩禍」のような形質溶融も見られません

そしてこの禍最大の愕くべき事実

人語を理解し会話が可能であるという事

遂に自我を獲得した単一体の禍が発現したのです

(そんな急展開の体で行きますよ)



六面図
「ハロウィン的胡桃」という御注文品で・・あ、いけない
自我を獲得した単一体の禍です(汗)



眼光鋭く何か強い意志を感じます



ジャック・オー・ランタンな雰囲気で・・あ、いけない
間違いなく自我を獲得した単一体の禍です(汗)



紐穴 背面開口孔は脊椎状に形成されていますね
自我を獲得した単一体の禍だもの(汗)



サイズは胡桃だから・・・



「禍 我ヲ得 梵ヲ説ク」
根付「真我」完成です


作題の「真我」は「Ātman」の日本語意
「しんが」と読むそうですが「まが」と語呂合わせ
つっ、繋がった・・・

自我を獲得した禍を発現させる起因念気は果たして何なのか?

次回最終章解明編へ

つづく


2015/10/28

根付 其ノ漆拾弐

石豆達磨
素材 :緬茄菩提樹、鹿角、黒檀



今年は何故か
至水に種子彫りブームが到来

思い返せば私が初めて彫った根付の材が
その頃から根付を彫れそうな天然材を
ネットで探し蒐集していたのですね

そんな天然材ストックの中から
今回チョイスされたそれ系のヤツ

お豆です♪

通称「ストーンナッツ」と呼ばれる緬茄菩提樹の種子
(緬茄はミャンマー、タイ、ラオス、ヴェトナム、中国に自生するマメ科の樹木です)


「ストーンナッツ」と呼ばれる様に非常に硬い種子なので
硬い天然材は全て根付の素材に見えてしまう
そんな至水の彫ってみたい欲求を抑える事なぞ出来ません

ついつい達磨を彫ってしまうという・・・



六面図



Winking Dharuma ♪



蔕?の茶、豆の外皮の黒、中身の白
三色のコントラストが楽しい素材です



サイズはこんな
30mmくらいの小さな小さな根付です



お豆も根付になりたいの♪
根付「石豆達磨」完成です


そして今日もまた
硬そうな種子を探すため電脳世界を徘徊する至水なのでした
ネット通販で世界の種子が購入可能って素晴らしい


え?

いいから
牙角で根付を彫れと?

ごもっとも(泣)


2015/10/27

根付 其ノ漆拾壱

禍魚
素材 :桃種、象牙、黒水牛角


我家にフクロモモンガを御迎えして早や2年

冷蔵庫内には常に季節のフルーツがストックしてありまして
林檎、マスカット、マンゴー、梨、柿、枇杷 ・・・
勿論フクモモ様の御食事用な訳ですが
飼主である私達の口にも時折廻って来たりして

特に夏
私の大好きな美味しいアレが
フクモモ様より下賜されるのです
そうです
白桃ちゃん

あっまいあっまいヤツが当った時の
口中至福感たるや
涎止まらずですなー

で、今年もありがたく甘ーい白桃を美味しく頂きまして
ふと何時もは直ぐに捨ててしまう種に目をやると
表面を覆っている繊維質混じりの果肉の奥に
白い粒を見つけました

果肉を除去ししばし乾燥させると
その白い粒上には黒い点が


動いた・・・

眼だ


桃の種が禍化して・・い・・・る?


なんだこの妄想日記は


ハイ
という体で行きますよ


このままでも十分魅力的に思える桃の種
まじまじと見ていると魚のフォルムが重なって見えてしまい



六面図



今回は自立しないのでスタンドを付けましたよ



こんな感じでディスプレイ可
泳いでる泳いでる♪



目つき悪!ふてくされてますね



サイズは・・桃の種(大玉のヤツね)



水槽に入れてあげたら身を捩る様に泳ぎだし・・・
(という体の・・・ね)
根付「禍魚」完成です

いやしかし
桃の種イイなぁ


つづく



そうそう
フクモモ飼育は妄想じゃないの
うちのフクモモ
イチモンジ(♂) と モモさん(♀) ダヨ ♪
フォトジェニック!

2015/10/26

根付 其ノ漆拾

『 蕩禍 - Maga of Melting -
素材 :胡桃、鹿角、真鍮、黒水牛角


10月も半ば過ぎれば最早秋を通り越し
外はさっぶいさっぶい初冬です
それでも数少ない陽の差す日を選んでは
太陽光を浴びるための朝散歩に出ていたところ
またもや災いの種「禍」に遭遇したのでした

「禍」についてはコチラの投稿を御参照くださいませ

基本的に過去採集してきた「禍」は
一つの種子に数多の念が入り混じった状態で生成されたもので
外皮には複数の開瞳や不可解な器官の形成が見られたのですが
今回の「禍」はなにやら雰囲気が違うのです・・・

一対の開瞳、鼻孔式器官、溶融口唇の生成部位は
シミュラクラ現象に因らずとも「顔」を認識し得る配置を獲得し

あれが幻聴で無いのであれば

まるで意思が在るかの如く
こちらに何かを訴えかけるかの如く
この「禍」は確かにか細く
・・・・・
呻いた

(という体で今回も絶好調です行きますよ)



またもいきなり六面図から



殻の奥に光る瞳が私を見つめるのです



良く良く観察してみると・・・
ところどころ溶融し始めている様で
紐穴 背面開口孔も蕩け
いつまでこの状態を保っていられるのか・・・・・


サイズは・・・胡桃なので



この個体は確かに何かを訴えかけようと・して・・い・・・た
(という体の)
根付「蕩禍」完成です

禍シリーズに新展開の神無月


つづく


2015/10/25

根付 其ノ陸拾玖

『おにぐるみん 弐号』
素材 :胡桃、真鍮、黒水牛角


さて
相変わらず身体本調子に戻らずな至水です

まぁそれでも手は動かさなければならない訳でして
御注文品をじりじり進めつつ
合間には胡桃を弄る日々でございました


何を思ったか今年は胡桃をいっぱい彫ってますよね
そうあれは胡桃作品第一号
胡桃の構造を理解すべくあれやこれやと弄くりまわし
結果として誕生させてしまった鬼っ子


胡桃作品のプロトタイプな訳ですし
販売する予定は無かったものの
6月にGallery花影抄で開催された二人展で
こっそり展示のみしていたところ
奇特な優しいお客様の元へ納まる事となったのでした


で、今回は

フランケンシュタイン博士よろしく
この世に鬼っ子を生み出してしまった者として
「おにぐるみん」の無念を晴らすべく
弐号機の製作に取り掛かったのでありました



いきなりの六面図



空蝉であった初号機には無かった瞳がキラリ



脚は収納されております(という体です)



お分かりいただけるだろうか
弐号機には手もあるのだ



サイズは・・・胡桃です



「くるみの国」非公認ゆるキャラのニューカマー 
(という体で)
根付「おにぐるみん 弐号」完成です


今月はこんな感じのが多いのよ


つづく


2015/10/01

街なかアート彩 2015 レポ 其ノ弐!!!


さて
それでは
街なかアート彩2015の出展作品をざっくりと御紹介


木彫
2013年に引き続き参加されました
今年はレリーフがメイン
来場されたチビッコ向けに
木製の立体パズルも御用意されておりました
しかし組み立て図無しというスパルタ感





アクリル画
アート彩のフライヤーのデザインを引き受けて頂いた方の作品です
絵本作家志望との事
かならずや実現させて頂きたいです





パステル画
こちらも前回に引き続きの参加です
前回参加の作品からガラリと変わったモチーフに主催驚き





創作雛人形
こちらも前回に引き続き2回目の御参加
回を重ねる度に規模が拡大しておりますね!





今年は額装された作品がメインですが
陶板の作品もあり目を引きました





ミクストメディア
今年は函館市の公募展で受賞された作品を投入されていました
巨大!





Photography
「今現在」の函館を切り取った美しい風景写真達
淡く
時には強調された光彩が絵画的でもある独創的な作品です
作者MAYA氏の開設されているサイトはコチラ





根付
至水製作の根付やら小物やらの展示
なのですが
基本彫っては売り彫っては売りなので
超初期作ばかりでお恥ずかしすぎ
過去作のアーカイブ画像を全てタブレットにぶち込んで来ましたので
そちらで至水4年間の成長を御確認頂ける仕様です
期間中根付彫刻をとセッティングしましたが
「根付って?」という質問にお答え
説明している時間の方が長かった気が・・・





コラージュ
複数の素材を用いた絵画作品
中央の作品は裏を返すと錆びて風化したメッシュが・・・
古い排気口を利用されています





陶芸
重厚で力強い作が展示されておりました
初日はろくろの実演、体験も出来ました
二日目は展示のみになってしまったのが残念でした
ろくろ体験を目当てに来場された方も居りましたし
稲刈り体験が中止になってしまったチビッコ達が
こっちの土に塗れる事が出来たのに・・・





レザークラフト
毎回参加頂いているやまび子工房
テーラーでありハンターでもある
やまび子おやじ氏作のウォレット等々
馬蹄型革財布は私も使わせて頂いております
まび子おやじ氏のブログはコチラ





つまみ絵
染色した布で制作された草花を配された
立体的な絵画作品です
押し花ですか?
なんて声も上がっておりました





CGイラスト
イラストレーターソフトを駆使しPC上で製作された作品
作者は道外に引っ越されてしまいましたが
無理矢理参加要請を出し作品を召還!
こちらもアート彩皆勤賞です
展示会終了後に購入したいとの御要望があり
3枚嫁いで行きました!
私的には右下の「羨望」がお気に入り
素直に「カッケー」よ♪





水彩画
というか和紙に描かれた墨画然とした仕上がりの
「ひふみ」と題された絵画作品です
要所要所に金が挿されておりアクセントになっております
こちらも前回の出展作品とはガラリと作風が変わっており
作者の母君が書家なのだそうで
自らも和紙をキャンバスにしたらこうなったと!
またしても主催驚愕





民族楽器
または自作楽器
全て主催の私物です
来場者が自由に鳴らしてオケーな展示ですので
チビッコが嬉々として乱打しておりました
カオス!





と、これだけ雑多に詰め込まれ
統一感の無い展示に思えるでしょう?
もっとカテゴリーを絞れば良いのにと思うでしょう?

でもね

街なかアート彩はこのカオスな作品郡に意味があったりするのですね

参加者に出展依頼して廻るのも主催一人でやっており
傍から見れば一体誰得なイベントな訳です

おそらく今後も

主催のやりたいようにやる

なのです(笑)

回を重ねていけば公募とかしても良いんじゃないかなんて思います
仕事を持ちながらも創作を続けている方は
まだまだ沢山居る筈なので

その辺もまた主催次第か・・・



第1回、第2回の開催会場となった
古民家ありきでスタートした街なかアート彩ですが
今回の経験で今後も続けられると確信出来たようですので
かならず来年も開催されると思います


末永くお付き合い頂ければと
関係者一同願っております