2014/04/20

Small articles : No.013

提げ 『酔毛槍』
素材 : 鹿角、黒水牛角

昨年のワンフェス前くらいに御注文頂いていた
「毛槍の付喪神の提げ」が今頃完成・・・
お待たせ致しました(汗)

御注文者様からこんな感じでと頂いた下絵が
「お猪口片手に酒を煽って疾走する毛槍」
というアグレッシブな意匠だったのですが
横長の意匠に細い毛先は
吊り下げる形になる提げとしてはどうだろう?
と、縦に飛び跳ねる意匠を御提案させて頂きました

でモック製作
「酒の勢いで飛び跳ねようとするも毛踏んじゃってるよ」
な意匠で


彫りあがり磨きも済んで染め直前

提げなので自立出来なくなってもOKと
優しいお言葉を頂いていたのですが
やっぱ自立した方がいいっしょ
とがんばりました
結果
奇跡の自立を達成オメデトー!

ところが・・・

染めも終わり眼の象嵌も完了
完成したんで写真撮ろーっと思った刹那
・・・・・
「立たない?」


四面図

この画像では自立している様に見えますが
実は裏から支えております(汗)

染め前までは自立してたのに・・・
でもでも
耳から血ぃ流すくらい集中してしつこくしつこく立たせようとすれば
自立しない事もないのですが・・・

いや言い訳ですスイマセン(涙)


気を取り直してお顔UP!

飛び跳ねる際に自らの毛を踏んじゃって
ビーンってなった拍子にお猪口の酒溢しちゃって
「なっ !?」
って顔の毛槍さん


サイズはこんな


提げる時はこう


自立は微妙になったけど(泣)
提げ「酔毛槍」の完成です

さてここで
この毛槍の付喪神の名前、作題はどうしたものかと悩みます

毛槍の付喪神は「暁斎百鬼画談」等の百鬼図に描かれていますが
特に名前は記されておらず

鳥山石燕の「百器徒然袋」で言うところの鎗毛長は
他の妖怪と毛槍の付喪神をハイブリットさせた
石燕オリジナルの妖怪だし・・・

海洋堂が手掛けた食玩「陰陽妖怪絵巻」では荒俣先生が
百鬼図の名無しの妖怪達に改めて命名しておられて
毛槍の付喪神は「戟魔」となっております・・・

と色々調べて悩んだ結果
「毛槍の付喪神」は「毛槍の付喪神」だと
そんで酔っ払ってるもんで
「酔毛槍」
と、命名する事に致しました

付喪神は名も無き妖怪な感じが似合うんじゃないかなぁと・・・




0 件のコメント: