2015/07/29

Small articles : No.027

提げ 『蛇王七面
素材 : 菩提樹実(七面)、象牙、真鍮、黒檀


「禍」を持って行くため
7月中はフィールドワークに奔走していた至水ですが
ワンフェス前々日までに発見出来たのは
胡桃が変容した「禍」二個体のみ・・・

それでは少し寂しいので
至水が某SNSを通じ知り合った
インド在住の友人から譲り受け大切に保管していた
菩提樹の実が変容した貴重な「禍」の出品を決意致したのでした
(という体で)


では菩提樹の実が変容した「禍」について少し説明を

当然菩提樹の木も同じプロセスで邪気の浄化に寄与しております

更に特筆すべき
菩提樹の木固有の邪気浄化性能として
「禍」化してしまった種子からダイレクトに開花させた
花弁中央に見開かれる「シヴァの瞳」を通して
種子内に凝縮された邪気を強制放出させ
霧散浄化する機能を備えているのです

これは事実上菩提樹の実は「禍」化しないという事になり
逆に変容した菩提樹の実は邪気を寄せ付けない御守り
聖具として子々孫々大切に受け継がれる事になる訳です


至水が譲り受けていた菩提樹の実の「禍」
ネパールで採集されたサートムキー(7面)の
菩提樹の実が変容したものでした

菩提樹の実は面の数によって様々な意味を持っています

サートムキー(7面)の菩提樹の実は
蛇の王「Ananta」を表し
各面それぞれに蛇神を宿し
如何なる毒からも身を守り浄化すると伝えられています

故に最強の邪気浄化能力を持った「禍」と成り得るのでしょう
(という体です)


そんな「蛇王七面」がコチラになります
六面図
こんな御姿ですが
聖なる力が宿った聖なる「禍」なのです


これが「シヴァの瞳」ダ!


花弁と逆方向からは糸状根が萌出しています
「シヴァの瞳」の効果で邪気は霧散浄化されているので
このまま生育し続けても「災いの樹」にはならないのです


サイズはこのくらい
ペンダントヘッドとして身につける事も可能です
邪気ヲ浄化セヨ!


提げる時はこんな感じに


蛇神七柱の加護を受け
提げ「蛇王七面」完成です

という事で
ワンダーフェスティバル2015[夏]へ出品致しました
「禍」三点のブログ投稿は全て完了です

複雑で不安定なこの御時世
「禍」は世界中で結実している筈です

未だ見ぬ災いの種「禍」を探し求め
「禍」ハンター至水の「禍」採集の旅は
マダマダ果てしなく続くのであった・・・・・

マガだけに・・・

なんつて


ありがとうございましたー♪



Small articles : No.026

提げ 『禍々々
素材 : 胡桃、鹿角、象牙、黒檀


に持って行くため
更に「禍」の採集に励む至水さん

ワンフェス出発の前日7月24日に奇跡的に見つけた
(という体の)
三個体目の「禍」がこちらになります


六面図
表面に萌出した鋭い牙状突起が
時折ワキワキと蠢いて見えます
(という体で)


殻接合部の一端には
脊椎状の変容も確認出来ますね・・・


どうやら牙状突起を境に
殻接合部が開口するようです
(という体で)
身の危険を感じつつの撮影でした


サイズ的には通常の胡桃となんら変わりなく・・・


提げるとこんなカワイイのに・・・


手指くらいなら簡単に噛み千切る顎を持つ
(という体の)
提げ「禍々々」完成です

ここで「禍」の自然採集はタイムアップですが

もう一つ
過去に知り合いから譲り受けていた
インドからやって来た特殊な「禍」を所有しておりますので
(という体で)
それもワンフェス投入する事に致しましょう



Small articles : No.025

提げ 『禍々
素材 : 胡桃、象牙、黒檀

7月26日に開催された夏のサブカル立体イベント
ガレージキットの祭典

昨年は旅費諸々が捻出出来ず不参加となりましたが
はいホントの事書きましたー
今年はなんとか参加の目処が立ちました

しかしながら
その直後急遽決定した
と怒涛の根付製作が続き
一昨年のようにレジンキャストで
という時間的余裕が無く・・・

さてどうしたものかと
思案しながら朝の散歩をしている最中
ふと足元に転がる胡桃を拾い上げたところ
なんとそれが災いの種「禍」だったのです

よりカオスな変容を遂げているではありませんか

昨今なにやらきな臭く不穏な世情になっているとはいえ
こんな短期間に「禍」が複数個見つかるとは一体・・・


という事で
今回のワンフェスには
7月の1ヶ月間に至水が一生懸命山野を探し回り自然採集した 
(という体の) 
気持っち悪い胡桃の「禍」達を持って行く事にしたのでした


六面図
よりカオスなディテールが楽しすぎ
時間を忘れ彫りまくりです♪


じーっと見ていると
微かに動いているのがわかります
(という体で)


色んな角度からドゾ♪


サイズはこんな1/1胡桃サイズ
まぁ元が胡桃なので(泣)


提げるとこう!


絶え間なくキシキシと歯軋りの音が聞こえてくるのです
(という体で)
提げ「禍々」完成です

ありえない事にもう一つ「禍」を採集出来ましたので
(という体で)
次の投稿で是非御覧くださいませ



2015/07/28

ワンダーフェスティバル2015[夏]終了ーっ!


熱い熱い夏のサブカルイベント立体部門
ワンダーフェスティバル2015[夏]
が終了致しました

当日は体感気温40℃はあろうかという猛暑日で
北海道民である至水の寒冷地仕様の体は
悲鳴あげっぱなしだったのでした

しかしやはりイベントはイイ

普段は作業部屋の机に向かい
カリカリカリカリ根付彫るべしな日常の繰り返しですので

SNSで知り合った方や
至水を訪ねて来てくださる方に実際にお会い出来
お話させて頂く事の幸福感
そして
非日常感(汗)
テンション上がりますわー♪


今回会場では売れる事は無いであろうと思いつつ持って行った
至水が山野で自然採集した(という体の)
「禍」
3体中2体が御購入頂けてしまうという怪異
いや快挙!

本当にありがとうございました



幕張メッセに詰め込まれた
「作らずにはいられない者達」
の、熱い想いが招いてしまった異常な猛暑は
来年更なる熱を孕み膨張し
より熱いフェスになる事を確信しつつ・・・
皆様
来年もまた
サブカル立体神が与え給うた約束の地
という体の
幕張メッセでお会い致しましょう!


2015/07/24

ワンダーフェスティバル2015[夏]ーっ!



いよいよ今週末7月26日(日)
ワンダーフェスティバル2015[夏]
が開催されますね

至水は友人と二人で
ディーラー名「Northstar x Deadpool」として参加致します。
卓番は 4-13-8

友人の方は毎年恒例のスカイライダー怪人フィギュアを販売。

至水は7月中色々ありまして新作の根付は無いのですが
この一ヶ月一生懸命山野を探し回り自然採集した(という体の)
気持っち悪い胡桃の「禍」を二点と
SNSで知り合ったインドの友人から譲って頂いた(という体の)
ルドラークシャ(サートムキー)の「禍」を一点持って行きます。

ほぼ友人のお手伝い的な参加ではありますが
気軽に遊びに来て頂ければと思っております

因みに

・胡桃「禍」各50,000円

・ルドラークシャ「禍」30,000円

というワンフェスでは見向きもされないであろう
狂った価格でございますので
売れるわけ無いと・・・

で、売れずに残った「禍」は
おそらくGalleryで販売して頂く事になると思いますが
ワンフェス会場購入特典としては消費税分サービスくらいしか無いのですが
奇特なお神様的客様が現れる事を祈りつつ・・・

宜しく御願い致しますー♪



↓ ワンダーフェスティバル2015[夏]の詳細についてはコチラから


2015/07/21

緒締 其ノ拾伍

百々目
素材 : 象牙、黒水牛角


「月刊美術」8月号の中特集は誌上販売企画

根付のみではなく急遽緒締も製作出品する事となり
妄想捏ねくり産み落とされた異形の輩

悪行を重ね得を失った者の臭いに反応し
この世とあの世の狭間から罰を下す
妖怪「百々目」

今回の企画のコンセプトに沿うよう
「妖怪」を再定義化してアレンジした
「現象」としての「妖怪」であるところの
もともとの妖しい存在の意
「もののけ」としての「妖怪」であるところの
「百々目」

二つの意味の「妖怪」を
根付と緒締の揃いに仕立ててみました


完成直後生まれたての百々目さん
今回は象牙を使っています


四面図
瞳孔は黒水牛角を象嵌していますが
それ以外の瞳の色味は染めで表現しています
思いの外イイ感じ♪


底面
毛髪の流れが最後実存で無くなる感じに
ニュルーッと・・・


実は黒髪ロングで目鼻の無い生首な百々目さん
瞼を開いているのではなく
「ヴゥェッ」と唇を開くと口中に眼球が・・・
という感じです


あー
見てます
見つめちゃってます
「盗み遂せし人目や何所ぞ?」


妖怪創造はホント楽すぃ♪
緒締「百々目」完成です

二人展を終え
間髪居れずのタイトなスケジュールをなんとかこなし
無事納期に間に合い7月を迎えた訳ですが

なんでしょう・・・

燃え尽き症候群?

ウソ

ヤダ

気を取り直し
次は夏のワンフェスだよ!






PS
今回の誌上販売企画にピックアップして頂き
月刊美術様には感謝の気持ちいっぱいでございます

ありがとうございました!


根付 其ノ陸拾漆

百々目鬼
素材 :鹿角、黒檀

「月刊美術」8月号中特集の誌上販売企画
への出品オファーを受けたは良いものの
送られて来た「現代もののけ考(仮)」と題された企画書を読んで
最初にGalleryから聞いていた内容とやや違うなと・・・

所謂「妖怪」をそのまま立体にするのではなく
現代の作家がどう「もののけ」を解釈しアレンジするかという
コンセプチュアルな企画

まぁ
あれです
いつも至水がやってるヤツ

駆け抜けろ妄想 こじつけろ俺設定

ですね(笑)

ただ製作期間が短いので
以前モックだけ製作し頓挫していた
「男版百々目鬼」のコンセプトを流用
更に現代風にアレンジして
途中で追加製作する事になった
揃いの緒締の意匠を「百々目鬼」に紐付ける設定の構築と
「妖怪」という言葉の再考再定義化も絡め
今回の企画に落とし込みます

で妄想したのがこんなの

人をたぶらかし人目を盗み窃盗を繰り返す者は得を失い続け 
終ぞこの世とあの世の狭間を漂う妖怪「百々目」に目をつけられます 
「百々目」に見入られた者は「人目に触れざる面はいらぬ」と顔を奪われ 
「盗み遂せし人目や何所ぞ」と囁かれるや否や 
腕に夥しい数の人の目が開き 
今まで盗み続けた人目に晒され 
異形の「百々目鬼」と成り果てるのです 

妖怪「百々目」によって引き起こされたこれらの怪異を「百々目く」と言い
人外の姿に変容した者を「百々目鬼」と呼ぶのだとか・・・ 

「妖怪」の「妖」という文字には
「なまめかしい。あやしい。人をたぶらかす。不吉な。」という意味があり 
「怪」という文字には 
「異常なできごと。怪異。」という意味があります 

「妖」+「怪」=「妖怪」とは「人をたぶらかす者に起きる怪異である」 
と再定義してみれば 

「百々目鬼」とは「腕に目が沢山ある元女スリの妖怪」の名ではなく 
人をたぶらかす悪行を働いた者全てに起き得る現象「怪異」なのだ! 
故に石燕の時代から現代に至るまで
無数の百々目鬼がいてもいいのでは? 
もちろん男であっても・・・ 

という俺設定です。

では何故「百々目鬼」に変容するのか?
実は怪異を引き起こす主は所謂「もののけ」としての「妖怪」である
妖怪「百々目」であったというもう半捻り乗っけた話を考え
揃いの緒締にしました

で彫り始め


鹿角です
粗彫り~彫りあがり


背面に出ている髄を利用して
百々目鬼が着ているパーカーの柄をフレイムスカルに!


六面図
石燕の描く「百々目鬼」は手ぬぐいを被り顔が見えません
というか隙間から見える内側には顔が描かれていない様に見えます
これを現代風なパーカー+ハーフパンツ+スニーカー姿に置き換え
目深に被ったパーカーのフードの中は空洞
「百々目に顔を奪われた」としています
根付の造形としてはこのフードの空洞を紐穴に利用出来ると考えました


目玉27個・・・
暫く象嵌から遠ざかりたくなりましたね(汗)


パーカー背面に施されたフレイムスカル柄の刺繍が
百々目の妖力でウネウネ動き出し・・・
スカルの右眼窩孔が紐穴になっています


百々目に見入られると・・・
ひぃぃぃぃぃぃっ 

腕がウズウズするので袖を捲くってみたら・・・
ひぃぃぃぃぃぃっ

サイズはこのくらい
ころころしてます


「妖怪」とは「現象」である・・・
根付「百々目鬼」完成です

次は揃いの緒締
「もののけ」としての「妖怪」
「百々目」に続きます


「月刊美術」8月号 中特集誌上販売企画

6月にGallery花影抄で開催された
至水も参加させて頂いた根付展

その初日で
Art系月刊誌「月刊美術」絡みの新規のお仕事の話を頂きまして
以前「九つめ」の時にも御世話になった訳ですが
今回は納期が短く
10日間くらいで根付を一本仕上げなければならないタイトなスケジュール

しかしお題が「現代もののけ考(仮)」という事で
「好き勝手にもののけ彫っていーよ」というのであれば
なんて軽く受けてしまったのですが
途中で納期が短縮になったり
揃いの緒締製作も追加になったりで
二人展終了後6月いっぱいはデスマーチが続くという・・・

でもね

コレはやっとくべきなんです
今やるべきモノなんですよ!

という事で
本日7月21日発売の「月刊美術」8月号
中特集「当世もののけ夜行」では
至水を含めGallery花影抄関係の作家6名がピックアップされております
中特集扉は 荒井良 氏の張子作品《猫又》


至水は現代版「百々目鬼」の根付と
妖怪「百々目」の緒締を掲載させて頂いております
二つ揃いで「百々目く」という作題
詳細は次の投稿で明らかに・・・


この中特集の作品は誌上販売企画という事で
「月刊美術」様経由で購入可能となっております

直接お問い合わせ
もしくは
「月刊美術」のウェブ販売ページ
ArtShop から御購入申し込み頂けます

出展作品1~30
出展作品31~45

複数件申し込みがあった場合は抽選になると思われます

是非是非誌上でじっくり御覧頂き
この妖しげな作品達をアナタのお家に招き入れてやってくださいませっ♪

宜しく御願い致します