2016/12/12

根付 其ノ捌拾捌

『茂林寺釜』
素材 : 鹿角、黒檀



ぬーん・・・

前回の根付「河翁」の投稿で最後に
象牙で狛犬彫るよなんて書きましたよね
いや一週間くらい彫り進めていたのです

それがですよ

象牙扱う人であれば御存知であろう
冬の象牙あるあるに見舞われましてですね

まぁ私の象牙の管理が悪いという話なのですが

とりあえずそちらは一時保留で現実逃避

いやいや
その一週間を取り返すべくですよ!

鹿角でコチラを彫り始めた訳であります



鳥山石燕が「今昔百鬼拾遺」で描いた
「茂林寺釜」

この鳥山石燕アレンジな分福茶釜を
至水アレンジで根付化したらばですね

茂林寺の和尚に湯を沸かすよう命じられた新入り小坊主
触れては成らぬと念押しされていたにもかかわらず
守鶴の茶釜で湯を沸かそうとしてしまったその刹那
茶釜から毛が生え手が生え足が生え
底から尻尾が飛び出すや
蓋がむくむくと形を変え小坊主を睨みつけ一喝
「テメェ・・・俺を火にかけるなって言われてんだろヴォケが」
と逆さの狸顔にメンチ切られてビビる小坊主

なんてのが思いついちゃったので彫りますよ





六面図





帯上に装着するとこんな感じで
装着者を上目遣いで睨みつけます





「テメェ・・・」
化狸本人は目いっぱいドスを効かせているつもりなのですが
逆さ狸顔面の効果で威圧感ゼロ・・・





角度つけて色々と・・・
茶釜の縁に手を掛けて
中から「ぬゅーっ」と出てくる狸顔
そんな感じ





サイズはこんな
程よく小さめ





今回の紐通しは

① 狸ヘッドパーツに紐を通し

②③④ 結び玉ごと茶釜ボディにINできる

そんな仕様なのです





守鶴の茶釜の正体を知った小坊主の運命や如何に・・・(汗)
根付「茂林寺釜」完成です

いやほんと鹿角はタフで良い(涙)
象牙で打ち砕かれた至水の心を癒してくれた(涙)
そんな作になりました

象牙の狛犬はまた改めて再開致しますが

今日からは本格的に
年末のアートフェアに投入する作品
堕天され糞王と成り下がった豊穣神
蝿の王
「BEELZEBUB」
の仕上げ追い込みでございます

その辺の告知も後日させて頂きますです

お楽しみに♪



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